定期借地権には3つの種類がある
鹿児島市上荒田町に新築計画が発表された「カゴフルタウン構想(仮称)」。
1500坪の敷地に、総戸数220戸になる地上14階建の分譲マンションである。
このカゴフルタウン構想なるマンションも、借地契約にもとづく計画である。
利用目的に制限がない「一般定期借地権」
借地契約を公正証書にする必要もない、一般定期借地権。
・存続期間は50年以上
(3つの特約事項)
1.契約の更新をしない
2.存続期間の延長はなし
3.建物買取請求権を行使しない
(但し、合意すれば地主が建物を買い取ることもできる)
これらの3つの特約を、書面にすればいい。
建物を所有することが目的の借地契約であるが、一般定期借地権は、利用する建物に関して制限がないのが特徴である。
期間満了時には、建物を取り壊して更地にして地主に返すことになる。
先述した、鹿児島市上荒田町に計画されたカゴフルタウン構想も、この借地形態だ。
公正証書による「事業用定期借地権」
一般定期借地権と同様に、3つの特約を定める。
1.契約の更新をしない
2.存続期間の延長はなし
3.建物買取請求権を行使しない
(契約期間)
・30年以上50年未満(法23条1項)
・10年以上30年未満(法23条2項)※別規定あり
これらの特約を、公正証書によらなければならない。
一般定期借地権との大きな違いは、利用制限が事業用目的であるということ。
たとえ賃貸目的であっても、居住用はNGである。
ちなみに、法23条2項によると借地借家法の、以下の規定が排除される。
・法定更新
・建物再築に伴う存続期間延長(火事などで建物が焼失した場合)
・建物買取請求権
建物を買取る約束「建物譲渡特約付借地権」
契約期間満了時に、地主が建物を買い取ることによって契約が終了する。
建物譲渡特約付借地権の契約においては、利用目的における用途制限がない。
※事業用定期借地権にこの特約をつける場合は用途制限がある
・存続期間は30年以上
・30年経過後に借地人から建物譲渡を受ける特約
建物譲渡特約契約は、口頭でもよい。
但し、契約当初において必ず附帯されなければならず、途中から追加することは不可。
建物が譲渡されれば、借地契約は終了し借家関係は、地主に承継される。
今まで通り借地人が建物を使用する場合は、借家人となる。
定期借地権付きマイホーム購入のメリット・デメリット
定期借地権がついたマイホーム購入を検討されているなら、参考にしてみては?
(メリット)
・価格が安くなる
・固定資産税や都市計画税の支払いがない
・立地がいい場所が多い
(デメリット)
・契約期間が終了すると建物を取壊して更地にして返還(解体費用かかる)
・新居探しが必要
・資産として残せない
・地代が必要
・売却が難しい
それぞれ住まいに対する目的や期間なども考えて検討する必要がありそうだ。
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