とっくに終わった土地神話。これからは建物の価値をあげていく時代。
不動産を所有してさえいれば、土地の価値があがり財産価値が高くなっていった。
もう、こんな時代がやってくることはないだろう。
代わりに、その土地に建てられた建物に価値を見出す時代が来ている。
まずは、建物がどのような図面をもとにつくられているのか復習したい。
価値を見出す一歩“建築図面”を読み解く力。
不動産売買や増改築、または用途変更時などに必要な重要書類である確認申請図面。
確認申請図面は意外とシンプルで、意匠図がその中心です。
最低限の寸法などが書かれていればよく、建築基準法に合致しているかだけ審査される。
審査機関も、建築基準法以外については確認もしないし、審査もしません。
※意匠図とは
・案内図、配置図、仕上げ表、平面図、立面図、断面図があり避難や防災に関する事項が 記入されたもの
確認申請図に書かれた敷地は信用できない。
仮に、図面に記載されていた寸法と実際の敷地の寸法が違っていても問題にされません。
なぜなら、あくまで図面上で審査されただけで、認証作業をしたわけではないから。
何度も言いますが、建築基準法に合致しているかだけ確認されたのが確認申請図だから。
但し、あまりに大きくかけ離れた寸法だと完了検査時に分かってしまいます。
実際の現場では、現況測量などをして製図作業に入ります。
測量をしたから、隣地との境界も明確になったわけではないので、注意が必要です。
設計図は建築見積りのための契約書。
オーナーがどのような希望を持って建物を建てたのか。
それが分かるものが、設計図と施工図です。
設計図をもとに、建築費用が積算され建物の金額が分かってきます。
こうして、計算された見積り金額をもって建築請け負い契約が交わされます。
施工図は具体的な工事指示図面。
設計図があるからといって、実際に建物は建てられません。
建物を造るには、設備工事や電気工事、造作工事など様々な工事が必要です。
実際に、現場で工事をする職人さんたちにルートを示さなければいけません。
そんな細かな位置や形状などが書かれたものが、施工図。
施工図がなければ工事は進みません。
建物の価値をあげる図面“竣工図”。
施工図とおりに、建物が完成することはまずないでしょう。
実際の工事が進んでいくと、いろんな障害も出てきて変更も余儀なくされます。
このように変更された箇所や、実際に配置された配管などの位置を示すものが竣工図。
今後、長きにわたって建物を維持するためには、メンテナンスが絶対不可欠です。
修繕工事や改修工事をするのに、この竣工図があるとないでは大きな差が出ます。
確認申請書とならんで、法的重要書類のひとつとなります。
次回ブログは、建築計画概要書について書こうと思います。
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