“新・土地規制法”3年以下の懲役等が課せられます
自衛隊基地や原子力発電所など安全保障上の重要な施設。
これらの施設周辺の土地利用を国が規制する“土地規制法”が成立しました。
具体的に規制される不動産取引
明治維新以降、土地・家屋の自由売買制度により実態が調査されることもなく、現存する外国人土地法も事実上機能していなかった。
こんな背景によって誕生した“新・土地規制法”。
今後、行われる土地等の取引を国が監視(規制)する目的となる新法です。
その、規制される不動産取引における内容は以下となる。
・土地、建物(一体利用される設備等を含む)の
・所有権移転
・地上権、質権、賃貸借、使用貸借等の使用収益する権利設定、移転
・土地の開発行為等
国家安全保障上から規制される区域
①第一種国土重要区域(重大な支障となるおそれがある区域)
・防衛施設、原子力施設等と周辺区域
・国境離党およびそこから12海里以内にある島
※1海里=1.852㎞
➁第二種国土重要区域
・具体的な施設や基準は示されていない
・支障のおそれがある取引等の状況等を把握する必要がある区域
防衛施設や各国の大使館などが集まるエリアには区域指定が想定されます。
今後、指定された区域内では区分マンション売買や賃貸、商業テナント賃貸等にも影響が出てくると思われます。
規制の内容に基づく実務
第一種国土重要区域内での不動産取引を行う場合、取引前に以下の届出が必要になる。
・当事者の氏名、住所
・取引内容
・土地利用の目的
・実行の時期
届出が受理されてから、30日を経過するまでは取引ができず、また安全保障上に問題がないか審査される場合、4ヶ月間は取引禁止とされます。
国の安全保障上に支障を来すと判断された場合、取引変更や中止命令がなされます。
中止命令等が出された所有者は、国に買取を申し出ることが可能です。
第二種国土重要区域の場合、その取引後に以下を報告しなければなりません。
・当事者の氏名、住所
・取引内容
・土地利用の目的
・実行の時期等
新・土地規制法に違反した場合の罰則
第一種区域において、その事前届出を怠ったり変更や中止命令等に従わなかった場合。
・3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金
第二種区域において、取引の事後報告を行わなかった場合(虚偽報告も含む)。
・6月以下の懲役または100万円以下の罰金
原子力発電所や自衛隊基地等を多く有する日本列島、その周辺地域において不動産取引を行う可能性も出てくるのではないでしょうか。
区域内では、3年ごとに所有者や利用の実態調査がされるとなっています。
新・土地規制法の施行に留意していかなければなりません。
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