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2019年06月12日
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1年7ヶ月、家賃を集めて供託所(法務局)に通いました。

管理していたマンションが競売されました。

そのマンションは住居と事務所が混在する建物。事務所は法人が使用している。

新しい所有者(競落人)はすぐに家賃が入ってくると思っていたのだが入ってこない。

なぜ!?険悪な空気がながれていく・・・。

競売されても消滅しない権利があるのですか?

3点セットの中に物件明細書があります。

3点セットとは競売物件の資料のことです。

そのひとつ、物件明細書の表紙には「買受人が負担することとなる他人の権利」という項目があります。

通常といったら変ですが、ほとんど「なし」と記載されています。

ところが今回のケースではこの欄に「留置権」と書かれてありました。

その留置権、どのような対応が必要になるの?

結論から言うと留置権を消滅させるためには、留置権者(占有人)に対してもともと債務者が支払うべきであった債務(借金)を競落人が支払わなければなりません。

人の借金まで払うはめになるとは腹立たしい…。

おまけにこの支払ったお金は借金した張本人から回収することは出来ないんです。

無念極まりないです。

なぜか、売却基準価額からその借金(債権額)が控除されているからなんです。

借金を払い留置(占有)されている建物のカギを返してもらって、留置解除となります。

ところが簡単に解決ならず…長い修羅場が続いて行くことに。

私が担当したこの管理ビル、解決(示談)するまで1年7ヶ月かかりました。

新しい所有者(競落人)と留置権者(占有人)。

両者一歩も譲らず。それぞれが弁護人をたてて争いが始まりました。

それから毎月入居者さんから振込まれた家賃は引出して、手続きが面倒くさい供託書類と一緒に法務局へ運びました。

おかげで法務局の方とも顔見知りになり仲良くなりました。

とても辛くて大変でしたが、今では経験を積ませてもらったと感謝さえしています。

しかし、法律の知識を知ると知らぬとは大違い。

幼児と東大生くらいの違いがあるのではないでしょうか。

恐ろしい世の中です。

最後に判例から。今後の教訓です。

民事留置権と商事留置権。

民事留置権は弁済を受けるまでは動産、不動産を留置できるとし、一方の商事留置権の目的物は物または有価証券で物は動産に限られるとする。

このように理解していました。

ところが、平成29年12月14日の判決以下。

「~不動産は商人間の留置権の目的物として定める物に当たると解するのが相当である」とされました。

 

今回、実体験したケース。

“商事留置権の契約締結に基づく家賃収益権利が留置権者にある”とするものでした。

このような見解の違いによって和解(示談)成立まで1年7ヶ月もかかってしまいました。

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この記事を書いた人
森枝 真伸 モリエダ マサノブ
森枝 真伸
少子化で人口減少時代だからこそ賃貸経営はますます“質”が重要になると考えます。その質とは管理ではないでしょうか。それから、管理を計測することです。試行錯誤して得た失敗や反省など赤裸々な体験が力になると信じます。自身の経験や失敗から得た僅かながらの知識などお伝えできればと思います。真心通うあたたかい賃貸管理を心掛けています。お気軽にお声掛けください。何とぞよろしくお願い申し上げます。
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