賃貸マンションは誰の名義にするのがいいのでしょうか!?
賃貸マンション・アパート経営では、その名義をだれにすればがいいのか悩みます。
アパート経営の目的によっては、法人かそれとも個人にするかによりその受けられるメリットが大きく違ってきます。
税金対策や経営安定化にはどちらが向いている?
賃貸物件の名義人とは、その取引主体になる人です。
法人、個人、家族名義、資産管理会社などがそれに当たります。
では、実際にタックスマネジメントや賃貸経営の安定化のため、だれの名義にすれば一番効率がいいのか見ていきたいと思います。
■バリエーション豊富な法人名義のスキーム
法人にかかる代表的な税である法人税。
基本税率は25.5%から23.4%に下げられ、今後削減傾向にあると言われます。
さらに法人税の特徴は比例税。
この仕組みを上手く活用できれば、波がある会社経営にとっては非常に魅力的な選択を取ることができます。
※比例税:課税標準の大小に関係なく同じ税率で課税する方法
例えば、突発的に単年度で大きな利益が出た場合。
・法人名義で収益物件を取得。取得した収益物件の減価償却を最大限取る。
・単年度利益を大きく圧縮することが可能になり税を繰り延べられる。
このように、収益物件のメリットを上手く活用して税金をコントロールできます。
節税効果が高まり会社経営の安定を図ることが可能になるのではないでしょうか。
将来的には物件の売却時に課税されることになりますが、手元に残る現金は会社運営に当たってとても価値あるものになります。
■個人名義による所得税の節税
一方、個人にかかる主な税金は所得税です。
所得税の特徴は、所得が高くなればなるほど税率も上がる累進課税となることです。
また他の所得と通算されて課税される総合課税となります。
それでは、個人名義での収益物件の活用にはどんな方法があるのでしょうか。
・収益物件の減価償却を利用して所得税の節税対策
・収益物件売却時に税率ギャップを活用して収益を得る
個人の場合、賃料収入は他の所得と合わせて総合課税の対象となります。
例えば、最高税率の55%の時、収益物件の減価償却で500万円の赤字が出ます。
この時の節税効果は55%(275万円)となります。
一方、個人が収益物件を売却する場合の税率は20%(長期譲渡の場合)。
※復興所得税も加算されます
これらを組み合わせれば、収益物件を保有しているとき(55%)。
売却すれば20%。
55%-20%=35%の税率ギャップが発生することになります。
このように、保有しているときは55%(利益に対して)節税ができる。
また売却の時は20%の税率しかかからないこと。
この2点が、個人名義による収益物件取得の利点と言えるでしょう。
長期での収益物件保有には個人名義が向いている
賃貸マンション・アパートの名義は誰にするのが最善なのでしょうか。
それぞれの節税対策におけるメリットを見てきました。
実際、個々の事情も大きく違います。
その目的によっても選択肢が変化します。
個人か法人か、または両方を物件毎に分けて分散所有したほうがいいのか。
しっかりと物件の保有時と売却時の目的を考えたいところです。
ところで、せっかく手に入れた収益物件。
売却の予定はなくずっと保有して家賃収入を得たい。
それならば、収入の低い家族名義…例えば奥さんの個人名義がいいかも知れません。
低収入であれば、確実に税金を安く抑えられます。
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