新築賃貸マンション投資スキームは封じられていく
新築賃貸マンションを商材とした不動産投資スキーム。
鹿児島市内も建築ラッシュに沸いていた。
しかし、2020年頃を境に新築件数がめっきり減ってきた。
レバレッジ効果が最小化してしまった
レバレッジを最大限に活かして、短期間で不動産資産を拡大していく。
フルローン(あるいは僅かな手持ち資金)で、繰り返し資産を増やしていく。
利回り7%以上が当たり前で、リターンも十分なほどあった。
このストックしたリターン分で、さらに買い増ししていく。
「頭金3割いれてください」
「土地代分は自己資金で」
「評価がこれなので足りない分は自己資金を」
今、どこの金融機関に事業計画を持ち込んでもほぼこう言われて終わり。
手持ち資金を何千万も使ってしまっては、そこで打ち止めになるのは明らか。
不動産投資はストップしてしまう。
投下資本回収に何年もかかってしまうため事業欲がそぐわれてしまう。
潰された消費税還付スキーム
莫大な建築資金を借入れして作る賃貸マンション。
ただ、以前は、ある程度まとまったお金が還ってきていた。
そのお金が、消費税還付金。
仕入れ税額控除等を使って、支払った消費税が多いとその分が還付されていたもの。
ケースバイケースだが、1棟新築すると数百万単位で消費税が還付されていた。
消費税還付をねらい、少しでも建築費負担を抑えたものだった。
この消費税還付スキームも居住用賃貸物件には、適用できなく(難しく)なった。
新築賃貸マンションを建てる人には、課税事業が多くいる(個人は別だが)。
消費税還付がなくなるとどうなるのか。
建てる時に、消費税を払う。
そして、売った時も消費税を払わなければならない。
こうなれば、新築賃貸マンション投資に魅力は感じないだろう。
ダブルショック!高騰し続ける建築費と土地相場
建築資材価格は、日に日に高くなっていく。
先日も、コンクリート材料になる生コン価格を聞いて、とても驚いた。
それと、品薄。(に伴う住宅資材高騰、資材によっては50%以上高騰している)
ドアはあるけど、ドアノブがない。
トイレの在庫あるが、ウォシュレットがいつ入荷するか分からない。など、、、
さらに追い打ちをかけるのが、土地相場の上昇である。
特に、再開発が行われているエリア近郊の土地の値段は乖離率が激しい。
路線価の3倍超えはざらにある。
中には、東京23区か!?なんて値付けした土地もある。
こうなれば、そもそも新築賃貸マンションの事業計画自体が成立しなくなってしまう。
新築賃貸マンション投資をする人にとっての、ダブルショック現象である。
その他、さまざまな封じ手が用意されていく。
相続税対策としてのアパート・マンション建設。
賃貸用不動産として、評価が一気に圧縮され相続税が減額できる仕組みだ。
大手住宅メーカー系が得意としている。
もちろん、中古物件の購入でもその効果は絶大である。
しかし、この相続税対策としての投資スキームにも危険信号がともされた。
相続税評価と鑑定評価の著しい乖離率が問題視され、追徴課税2億4千万を言い渡されたのである。
今後、相続の期間なども重要なポイントになってくるので注視が必要である。
明からさまな相続税対策と見なさるような不動産購入は、気を付けたい。
こんな理由から、今後、新築賃貸マンション投資が激減していくと考える。
淘汰されていく時代と言えばそれまでだが、変化の時と思って耐えるしかない。
■賃収物件は今が売り時かもしれない
ところで、今日はアパート記念日だそうだ。
(1910年11月6日 日本初、木造5階建、70室の賃貸アパートが東京上野に誕生)
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